2012年3月26日月曜日

将棋倶楽部24で二段のものです。中盤までは優勢になることが多いのですが、終盤に...

将棋倶楽部24で二段のものです。中盤までは優勢になることが多いのですが、終盤になり相手の王を寄せる段階になると焦って逆転されてしまいます。勝ち切るためにはどのようなことを気をつければ良いでしょうか?


|||



将棋倶楽部24で6段のものです。



地方で将棋教室を開いているのですが、この悩みは本当に多いですね。棋譜を見てないので詳しい原因はわかりませんが、多かった事例になぞらえてみます。



ケース①「形勢判断の切り替えに失敗している」



序盤・中盤・終盤で、形勢判断というのは変わってきます。



形勢判断の4つのポイントはご存じですか?駒の損得・駒の効率・玉形・手番の4つです。



大まかに言うと序盤は手得(駒の効率)・駒得が優先されます。(ただし、手得は持久戦になるとボケます。序盤の10手対5手は大差でも20手対15手は微妙になってきます)ちなみに序盤では手番は形勢に大きな影響は与えません。与えるとしたら先手が必勝になってしまいます。



中盤はそれぞれが複雑に絡み合いますが、中盤の入り口では①駒の損得②駒の効率③玉形④手番、中盤の終わり頃には①手番②玉形③駒の効率④駒の損得というように優先順位が変化していくと考えていれば良いでしょう。



そして終盤は、中盤の終わり頃の順位が①手番②玉形(詰むまで何手掛かるか)③駒の効率(どれだけ敵玉に迫っているか、また自玉を守っているか)(※駒の損得は得しているに越したことはないが形勢に差をつけるものではない)といった感じに変化していきます。



「大局観の切り替えに失敗している」場合の特徴としては、「終盤さえ強くなれば」と思っているケースが多いように見受けられます。そうではなくて、中盤の終わり頃に差し掛かる頃には、それまで絡み合っていた形勢判断の要素が①手番②玉形③駒の効率④駒の損得という順位に整頓されていきますから、中盤の内にその整頓の波に遅れないようにする必要があります。終盤が弱いのではなく、中盤での準備が足らないという事です。ちなみに、中盤が弱い人、というのは序盤を勉強していないから、ってケースも多いですね。差がついた地点が弱点なのか?といえば、そうではないのです。



自分も同じ悩みで苦しみましたが、「中盤の後半では速度を優先する事になるので、自陣の手入れはそれ以前に済ませておき、玉形が乱れないようにしよう」など、上記の流れに沿う将棋を作るためにはどうすればいいか、という事を念頭に置いていました。要は「今何をすべき時期なのか?」という羅針盤を定めるために、形勢判断を小まめにする事が大切、ということです。



ワンポイントアドバイスとしては、手番・玉形・駒の効率・駒の損得の4つは常に密接に関わり合っているので、他の3つに価値の両替をすることが往々にして可能だという事です。「歩を突き捨てた(駒損)事で捌きやすくなった(効率アップ)」「銀を捨てて(駒損)先手をとった(手番)」「形は乱れるが(効率ダウン)銀得確定(駒得)」「飛車を捨てたが(駒損)相手の寄せの速度が遅くなった(玉形)」・・・など、例をあげればキリがないでしょう。今どういう流れにすべきか?という羅針盤が定まっていれば、局面における両替技を見逃すことも無いでしょう。



また、本当に最終盤でひっくり返されるというのは②「玉が詰む形がパターン認識されてない」という事です。



これは詰将棋や必至問題で補うのがベターですが、ひっくり返された将棋の戦形に類似するプロの棋譜を探して並べてみるのも有効です。きっと「あぁ、こういう風に駒の流れを作れば最速だったのか」という発見があるはずでしょう。



ちなみに・・・

http://shopping.yahoo.co.jp/user_review/?yd=wMt9xWYlc6N.dY81SAlqJSO...

本のレビューも書かせてもらっています。上記の項目で弱点を思えるものが埋められる本があれば幸いです。



その他には③「楽観癖がある」なんていうのも一応ありますが、理由が分かりやすい上に、①②のタイプの人は常日頃仲間内から「また楽観したんでしょう」なんて言われる人が多く可哀想(本人にはその気はなくても)なので、ここでは割愛します。

0 件のコメント:

コメントを投稿