2012年3月20日火曜日

他の方の質問にあった5手詰の問題。 この詰将棋はどうしてプロ棋士や高段者でも...

他の方の質問にあった5手詰の問題。



この詰将棋はどうしてプロ棋士や高段者でも難しいのですか。


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この詰将棋の正解は32桂成、同玉、41竜、43玉、21角成までの5手詰ですが、これが難しいといわれる理由は、

1)初手から、他に詰みそうな王手が死ぬほどある

2)詰め上がりの意外性(実戦の寄せの感覚との相違)

の2つだと思います。



まずこの配置だとどうしても初手には銀をどこかに動かしての空き王手を考えてしまいます。銀を動かす位置は5箇所ありますが、成、不成を含めると10通りあることになります。これを一通りやって、どうしても詰まないという結論を出すだけでも相当な時間を要します。次に21角成という手もあって、取ってくれれば41竜で詰みますが、上に逃げられてさっぱり、ということになります。

最後に32桂成ですが、同玉に対してもやはり銀を動かしての空き王手を考えてしまいます。52竜という駒は玉を上部に逃がさないための押さえの駒、という先入観があって、41竜という動きは相当な抵抗感があります。結局41竜と21角成という手がセットで見えていないとこの手は指せません。

実戦の寄せの感覚だと、玉は上から下へ押さえるように寄せるのが基本ですが、本作は下から上へとそれに逆らうような動きですから、この感覚のズレという部分が特に高段者でも難しいといわれる所以だと思います。



だいたいこんな感じでしょうか。本作は5手詰めの最高傑作でしょう。



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私にも難解。銀を動かして XX玉、22竜、同玉、32銀成が見えてしまう。つまり桂が詰ますための動かせない最も重要な駒。



しかし実際には桂は不要駒で竜を邪魔している銀が不動駒で最も重要と気がつきにくい、、、


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私は弱いせいか、3分程度で解けました。

開き王手か桂成りしかないとは思いましたが、最初は有望そうな開き王手の筋ばかりを考えていました。

そのあたりをうだうだと考えていると、3三玉とされると捕まえる方法がないと気づき、桂成捨てを考えると瞬時に解けました。

罠ではあるけど、大した罠だとは思いません。

熟練者が難しいのは、一筋に香車や角があって、そちら方面で詰むだろうと思い込ませているのがひとつと、いろいろな開き王手の変化を考える過程で、玉を左に行かせる手はダメという先入観と、また角は捨てる駒という先入観もたせているからではないでしょうか。

開き王手で銀の成る成らない、どこに移動するか、というのは、詰将棋にはよくあるパターンでもありますから、まずそれを考えますね。

私には余り良い作品に見えませんけど、伊藤果さんあたりが作りそうな作品ですね。

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